今年は第1次世界大戦の勃発から100年ということで盛んに本も出て、このBS世界のドキュメンタリーでも色々な番組が放送されているけれども、どうしても西欧の西部戦線の話が多くなる。西欧文明・文化に深甚な影響を及ぼした大戦だから、詩から小説から、ノンフィクションまでが刊行され続け、西欧社会の大事件として記録や記憶が形成されてきた。その締めくくりの100周年なのだから当然だが、文字通り「世界帝国同士が世界中で戦った世界大戦だった」という事実が忘れられてしまいがちだ。「忘れないで」と盛んに言い続けて認めさせているのも、ANZAC(Australian and New Zealand Army Corps)ぐらいか。オーストラリア・ニュージーランドも英植民地で、大英帝国の戦争に若者が徴用され、トルコのガリポリ上陸作戦で大勢命を落としている。オーストラリアやニュージーランドの国民意識がこれで芽生えたとすら言われている。